自分で考えること、それが何かを考えるときに最も重要なことなのだ。「読者」でいることに慣れすぎているわたしたちは、すぐに最短距離で他人の思想を学ぼうとしてしまう。だが、自分の言葉で表現できるようになる瞬間が来るまで、花が咲くのを春まで待つように、時間をかけたほうがよい。哲学的な思索は「急がば回れ」だということだ。でなければ、本当に何かをわかったことにはならない。視点を変えてみれば、ショーペンハウアーが書いたものを私たちがありがたがるのはおかしいということにもなるだろう。これがおかしいと思えてこそ、ショーペンハウアーが言っていることがわたしたちに伝わったということになる。本なんて読まずに、自分で考えたほうがいい。こうしたことを明け透けに言ってのける遠慮のなさにも、ショーペンハウアーの文章の魅力がある。