近衛文麿と日米開戦 川田稔/編

このような観点は、その後、近衛内閣下で発表される「臣民の道」の中で現れてくる。「我らは国民たること以外に人たることを得ず、さらに公を別にして私はないのである。我らの生活はすべて天皇に帰一し奉り、国家に奉仕することによって真実の生活となる。…

「ニコラ・テスラ 秘密の告白」ニコラ・テスラ 宮本寿代訳

私の解釈が正しければ、人が想像しているものは何でも画面に映し出して目に見えるようにできるはずだ。これくらいの進歩があれば、人間関係というものはまったく変わるであろう。この奇跡は成し遂げられるものだし、いずれそうなるに違いない。 https://toyo…

「統治者フィリップ・ドルー」エドワード・マンデル・ハウス(林千勝 監訳)

そして、今、知性の時代が目の前まで来ている。知性の高い者が、知性の低い者に服従を強い、誤った文明が課してきた過酷な重荷を背負わせることが、同様に非難されるようになるのだ

「大転換」カール・ポラニー

平和への関心が実効力をもちえたのは、国内の諸勢力を平和の範囲内で活動できるようにする社会的諸器官をバランス・オブ・パワー・システムに提供することにより、このシステムを平和の大義に奉仕するよう仕向けることができたからに他ならない。...ヨーロッ…

「しのびよる破局」辺見庸

個別には幸福もあるかもしれないけれども、その幸福は絶大な不幸の上にしかなりたたないという現実を見るとき、はたして人間は真の意味で幸福を感じることができるかどうか…。そんな問いかけを粛然として聴く空気がこの社会にはあるのでしょうか。いや、問い…

「しのびよる破局」辺見庸

...インターネットというのは瞬時に地球の端と端をつなぐのだと。それは人と人をつなげるのだと。ところがふたを開けてみると、人と人の関係を結ぶどころか切断してしまったのです。世界は切断された。内面が切断されたわけです。...ことばもモニター画面に…

「しのびよる破局」辺見庸

「器官のない身体」としての資本主義は、そこに棲む生体としての人間の欲望をどこまでもどこまでもたきつけ、開拓し、抽出し、それを養分にして増殖し、さらにまた新種の欲望の種をまき、育て、肥えていく。

「監視資本主義」ショシャナ・ズボフ

...怒れる若者たちにかかっている。すなわち、自律性のない良い暮らしは良い暮らしではなく、依存に誘発された妥協は社会的契約ではなく、出口のない巣はホームにはなり得ず、聖域のない経験は影でしかなく、隠れなければならない人生は人生ではなく、触れて…

「監視資本主義」ショシャナ・ズボフ

フェイスブックの余剰は、ある問題の解決を目的としている。それは、少し先か、その先の、あなたの行動の予測可能性を高めるために、いつ、どうやってあなたの日常の行動に介入し、修正すればよいかという問題だ。

「哲学の原点」天野正幸

ソクラテスは到達不可能な、いわば無限の彼方にある目標であるsophia(知恵)を目指して探求し続けたのである。これがソクラテスにとってのphilosophia(知恵の愛求)だったのであり、我々にとっての哲学(philosophy)なの原点である。

Q&A

Query:https://www.youtube.com/watch?v=AOsYyPQ3lV8 Answer: https://www.youtube.com/watch?v=jhEtBuuYNj4

「全体主義の起原」ハナ・アーレント

個体性の破壊ということは、自発性の...抹殺にほかならないからである。その後に残るのは、生身の人間の顔を与えられているが故にかえって不気味な、例外なしに死に至るまで唯々諾々と反応を-反応のみを-つづけるパヴロフの犬と同様にふるまうあの操り人形な…

「全体主義の起原」ハナ・アーレント

全体主義の現実政治と同じく全体主義の権力政治の背後には、これまでの歴史に知られていない新しい現実観念、権力観念がひそんでいるのである。

「モンテーニュ エセー抄」宮下志朗編訳

精神の鋭い切れのよさとか、自在に動き回る頭の回転のはやさなどは、むしろ交渉を混乱させてしまう。人間のすることなのだからして、もっとおおざっぱに表面で取り扱って、その大部分は運命の権利にゆだねるべきなのだ。

「カフカとの対話」グスタフ・ヤノーホ

人間は、下から上へではなく、内から外に向かって成長するといっていい。これがすべて生きるということの自由の根本条件です。この条件は、人工的に作り出された社会風土などではなく、自分自身と世界を前にして常に戦いとらねばならぬ姿勢というものです。…

「未完の敗戦」山崎雅弘

一つは、人々の弱った心の隙間に静かに入り込んでくること。 もう一つは、服用すると一時的に高揚感や優越感、陶酔感を味わえますが、健全な思考力が蝕まれ、自らを破滅へと導く道を「理想郷への道だ」だと錯覚してしまうこと。

いぬのおまわりさん

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「エセーⅢ」モンテーニュ 荒木昭太郎訳

率直さと真実一筋の態度は、どのような時代にあっても、なお時宜にかない、通用するものだ。

「エセーⅠ」モンテーニュ 荒木昭太郎訳

ソクラテスの友人たちがわれわれに残してくれた彼のかずかずの論議、考察のすがたかたちを、われわれは世間一般が承認しているのを尊重するからこそ承認するのであり、われわれ自身の認識によってそうしているのではない。

「『エセー』読解入門」大西克智

ことがらの一般的な重要性が自分にとっての必然性に転化するまでは、待て。転化していないなら、それをさも重要な問題として論ずるようなまねはするな。

「人間の建設」小林秀雄・岡潔

理性はまったく純粋な意味で知らないものを知ることはできない。

「暇と退屈の倫理学」國分功一郎

工場だけでなく、工場の外でも、休暇という形で働かなければならない。...資本は労働者をうまく活用するために、余暇をも活用し始めた。

「あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠」キャシー・オニール

金融の世界とビッグデータの世界は、あらゆる点で似ていた。(中略)どちらの文化でも、富はもはや生活の糧を得るための手段ではなかった。その人物の価値に直結していたのである。(中略)傍から見れば、社会の仕組みの悪戯とまぐれでしかない幸運の組み合…

「全体主義の起源」ハナ・アーレント

大衆社会の中の個人の主たる特徴は残酷さでも愚さでも無教養でもなく、他人との繋がりの喪失と根無し草的性格である。

「全体主義の起源」ハナ・アーレント

民主制という統治原理は住民中の非積極的な分子が黙って我慢していることで命脈を保っているにすぎず、(中略)意志表示のない統制不可能な大衆の声にも依存している、ということがはっきりと露呈されたからである。

日本の精神構造

https://youtu.be/YEwR60CThpE

「監視資本主義」ショシャナ・ズボフ

わたしたちは社会というより住民であり、抵抗のない快適さの中で衰退し、自覚のないまま行動修正の手段によって形作られ、なおかつそれを悲しむことも、それに抵抗することもできない。

「監視資本主義」ショシャナ・ズボフ

70年近く前、歴史学者のカール・ポランニーは、産業資本主義の市場力学は、正しく管理されなければ、扱う商品そのものを破壊してしまうと考え、次のように述べている。「擬制商品化は、土地や労働者の運命は市場に委ねるとそれらを滅ぼすことになるという事…

「数学の大統一に挑む」エドワード・フレンケル

そこでわたしはこの課題に取り組むための準備として、答えがすでに得られている類似の問題に当たってみた。そうすることで勘を養い、腕を磨き、さまざまな道具一式を手に入れた。しかしそうして集めた道具のどれを使えばうまくいくのか、どのルートで問題に…

「ドストエフスキー」ルネ・ジラール(鈴木晶訳)

(大審問官はキリストを、)慈愛という実現不可能なモラルがかならずやマゾヒズムと屈辱の世界を招来するということを理解しなかったといって批難しているのである。