2022-01-01から1年間の記事一覧

「エセーⅠ」モンテーニュ 荒木昭太郎訳

ソクラテスの友人たちがわれわれに残してくれた彼のかずかずの論議、考察のすがたかたちを、われわれは世間一般が承認しているのを尊重するからこそ承認するのであり、われわれ自身の認識によってそうしているのではない。

「『エセー』読解入門」大西克智

ことがらの一般的な重要性が自分にとっての必然性に転化するまでは、待て。転化していないなら、それをさも重要な問題として論ずるようなまねはするな。

「人間の建設」小林秀雄・岡潔

理性はまったく純粋な意味で知らないものを知ることはできない。

「暇と退屈の倫理学」國分功一郎

工場だけでなく、工場の外でも、休暇という形で働かなければならない。...資本は労働者をうまく活用するために、余暇をも活用し始めた。

「あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠」キャシー・オニール

金融の世界とビッグデータの世界は、あらゆる点で似ていた。(中略)どちらの文化でも、富はもはや生活の糧を得るための手段ではなかった。その人物の価値に直結していたのである。(中略)傍から見れば、社会の仕組みの悪戯とまぐれでしかない幸運の組み合…

「全体主義の起源」ハナ・アーレント

大衆社会の中の個人の主たる特徴は残酷さでも愚さでも無教養でもなく、他人との繋がりの喪失と根無し草的性格である。

「全体主義の起源」ハナ・アーレント

民主制という統治原理は住民中の非積極的な分子が黙って我慢していることで命脈を保っているにすぎず、(中略)意志表示のない統制不可能な大衆の声にも依存している、ということがはっきりと露呈されたからである。

日本の精神構造

https://youtu.be/YEwR60CThpE

「監視資本主義」ショシャナ・ズボフ

わたしたちは社会というより住民であり、抵抗のない快適さの中で衰退し、自覚のないまま行動修正の手段によって形作られ、なおかつそれを悲しむことも、それに抵抗することもできない。

「監視資本主義」ショシャナ・ズボフ

70年近く前、歴史学者のカール・ポランニーは、産業資本主義の市場力学は、正しく管理されなければ、扱う商品そのものを破壊してしまうと考え、次のように述べている。「擬制商品化は、土地や労働者の運命は市場に委ねるとそれらを滅ぼすことになるという事…