「全体主義の起原」ハナ・アーレント

個体性の破壊ということは、自発性の...抹殺にほかならないからである。その後に残るのは、生身の人間の顔を与えられているが故にかえって不気味な、例外なしに死に至るまで唯々諾々と反応を-反応のみを-つづけるパヴロフの犬と同様にふるまうあの操り人形なのだ。これこそこのシステムの最大の勝利である。